この度ご紹介するのは、チャイティー等を製造・販売されている、管理栄養士のgumeさん(めぐみさん)です。
管理栄養士さんが、どうしてスパイスを使ったチャイを販売されるようになったのでしょう?
働き方に悩んだ、ということもありましたが、もっとお話を聞くうちに、中学生の頃からの夢である「健康と食に関する仕事に就きたい」という想いが、根底にあることが分かりました。
病気になってからではなくて、病気になる前に健康について考えて欲しい。そのために、このスパイスの効能を知ることをきっかけに健康に意識を向けてもらえたら。
そう語るgumeさんの素敵な想いがつまった起業エピソードを、この記事ではご紹介します。
gumeさんのスペシャルチャイティー誕生の物語
はじめに、チャイティーを販売するまでに至った経緯を教えてください。
転職しながらもやりたい仕事で正社員勤めをしていたんですけど、決まった時間に行って、会社や仕事のことが最優先な毎日を続けていくことが、だんだんと難しいと感じてきて。
「おばあちゃんになってもできる仕事、ライフワークみたいなものを見つけ出したいなぁ」とずっと思いながら日々過ごしていてまして…。
結婚、出産のタイミングが、ちょうどコロナもあったころで、家に籠っておかないといけないような環境だったので、「なんか家でできることないかな」とずっと考えいる頃、不意に好きだったチャイを飲もうって思ったんです。
(飲んでみたら)煮だしたり濾したりと、手間も(かかるし)洗い物も多いから、「ちょっと気合い入れたタイミングじゃないと飲めないなぁ」とそのときに感じて。
「もうちょっと手軽に飲みたいなあ」という思いから『ティーパックに詰めて、洗い物を減らすっていう作戦』をしてみたところ、「全然美味しくできるやん」って気づいて。
きっとそう感じている人も多いはず!と販売に至りました。
好きなチャイを、手間なく洗い物も少なく簡単に!というのがチャイ誕生のきっかけだったんですね。
はい。
どうせ飲むなら、少しでも体にイイものを
あとは、食後に珈琲とか飲んでいたけれど、どうせ飲むなら、栄養がさらに摂れるようなものがいいなっていうのを考えていて。
競合他社が多い分野ではなくて、(チャイに入れる)スパイスだったら好きだし、同業他社も少なくて、植物の効能もあるしで、おすすめもしやすいと思いました。
勉強し始めたら、「スパイスってってこんなに効能あるんや!」って(もっと興味がでてきました)。
めぐみさんは、管理栄養士の資格もとられているから、栄養やスパイスの効能にもこだわりがあるんですね!
昔から『食』に関わる仕事がしたかった
ところで、どうして管理栄養士の資格をとろうと思ったんですか?
私が管理栄養士になったきっかけは、中学生の時に友だちと将来どんな仕事に就きたいかをしゃべっていたときに、「好きなことを仕事にして生涯続けたいよね~」と言う話になったんです。
それで、私はもともと食べるのが好きだし、人の土台は『食』だから、「人の生活に大切な『食』に携わる仕事がしたい」、「体の仕組みと栄養について学びたい」と思い管理栄養士を目指しました。
大学生の時からは、「自己免疫力を高めたり、『栄養』や『自分の体』に興味を持ってもらうきっかけを作って、病院に通わない体づくりをするサポートをするような仕事をしていきたい」と考え、社員食堂でおとなの食育に携わったり、小学校やこども園での食育を経て今に至ります。
チャイでその『夢』を実現
そうだったんですね。子育てなどでバタバタしていると、自分の体のことがおざなりになっちゃいますもんね。
そうですよね。今はチャイを販売していますが、その根底には「生活にスパイスのドリンクを取り入れてもらうことで、手軽に免疫力upしてほしい」という想いがありますね。
あと、私は、風邪など引いてしまったときもいきなり薬に頼るのではなく、フィトセラピー(植物療法)を取り入れているんですけど、純粋な植物で作られたエッセンシャルオイルをディフューズやマッサージなどに用いて症状を少しでも緩和したり、エッセンシャルオイルを使って<自分で作る暮らしの香り>をテーマにルームスプレーや香水、虫除けスプレーなどの日用品が作れるワークショップも行っています。
こちらは『食』とは関係ないんですが、「エッセンシャルオイルを生活に取り入れることで、心地よい暮らしが手軽に出来る」ということも伝えたくて、やっています。
いわゆるアロマですよね!チャイ以外にも、アロマを通して、「自己免疫力を高めたり、栄養や自分の体に興味をもってもらう」という活動をされているんですね。
「チャイを販売したい」を実現するために
ちなみに、そのとき、仕事はもう辞めてたんですか?
仕事は(正社員ではなく)バイトに(切り替えて)働いてました。
バイトをしながら、どうやってチャイの販売を始めたんですか?
「どうやって販売したらいいのかな」っていうので、まずは自分が住んでる地域の保健所に問い合わせてみたら、もう本当に優しくいろいろと教えてくれました。
食品関係は保健所に聞くのが一番早くて、「こういうことをしたいんですけど」って言ったら、「ホームページのこのページのここからログインしてもらって」みたいな感じで本当に細かく丁寧に教えてくれます。
なるほど、食品関係の販売を使用と思ったら保健所に問い合わせるんですね。
そう。それで、お茶の製造販売っていうのは、申請するだけで始められるので初期費用が大きくないんです。
作る場所と食品衛生に準ずる免許があればお金もかけず申請出来ました。
はじめてのチャイ販売
初めての販売について教えてください。
マルシェの出店が初めての販売です。
その時働いていたアルバイト先―スープ屋さんだったんですけど、そのお店がマルシェで出店するっていうことになり、「そこで一緒に私もチャイ販売していいですか?」って聞いたら、「いいよ」って言ってもらえたんで、横で販売させてもらいました。
チャンスがあったので挑戦してみたのですが、試飲もしてもらいながら販売してみて好評だったので、「結構チャイが好きな人って多いんや!」という発見がありました。
それが初めての販売なんですね。
子どもが産まれ、一旦休業
その後はどうやって販売されたんですか?
子供が成長してなかなかちゃんと作る時間も取れなくなって…
お子さんはその時、何歳ぐらいだったんですか??
まだゼロ歳でした。ハイハイをし始めたぐらいから、スパイスの置き場に困り、いったん(スパイスを)封印しました。
いつ販売を再開したんですか?
子供が2歳になってから、(アルバイトをしていた)スープ屋の同僚の子が、農業で起業するとのことで、「キッチンカーで野菜を売りながら、何かその野菜を使った食べ物を売りたい」っていう話をもちかけてくれて、「じゃあ一緒にいろいろできるかも」ってことでチャイやクラフトコーラ、野菜を使った米粉のチュロスの製造をさせてもらえることになりました。
販売再開!「キッチンカーで週末出店」
キッチンカーに乗ってどこで販売したんですか?
グリグリマルシェです。農業系のお店屋さんとかが自分で育てた野菜を売ったりできるんですよ。
大阪の難波と心斎橋やヌ―茶屋町とかで定期的にあるマルシェで、そこで販売させてもらえました。
あとは、相方の農家の子が、豊野町で起業しているので、豊野である定期的イベントに毎回出店させてもらっていました。
ほかにもお声かけしてもらったイベントには出店して、月に4回程度は出店していました。
キッチンカーの作り方(笑)
そういうイベントがあるんですね。ところで、キッチンカーはどうしたんですか?お2人で購入したんですか?
キッチンカーは起業した相方が補助金などを駆使して買いました。そこに私は商品と一緒に乗っかってるだけです(笑)。
キッチンカーは、その子が後ろが何もないフラットな車を中古で買って、そこに木で組み立てて。DIYをしたんです!
キッチンカーの中は火や水も使えるんですよね?
はい、使えます。シンプルな作りで保健所の衛生が通るようにつくって、初めて作ったとは思えないおしゃれで使いやすいキッチンカーになりました。
お仕事の頻度は?
どれくらいの頻度で販売されてるんですか?
去年は、月に2回ぐらいのペースでしてました。
(去年の)後半は高頻度で、月4回ぐらい土日に出店してました。
平日はバイトをしながら出店の準備をして、週末に販売して、という感じでやってました。
子育てとの両立について
お子さんはどうしてたんですか?
その時は、両親に私の家に来てもらったり、2日連続で出店する時は、こどもに実家へお泊まりしてもらったりしながら、自分もちょっと休めるように家族に協力してもらってました。
平日はバイトですよね?
平日はバイトをしながら、(野菜をつかった)チュロスの、製造ができるところを借りてつくったり、チャイの製造などを行ってました。
チュロスをめぐみさんがレシピを考えてつくって販売されてたんですよね?チュロスを販売するってなった時も、やはり保健所に相談したんですか?
そうですね。保健所に聞きました。
キッチンカーに立つことを減らしました。その理由と現在の販売方法
それで、平日はバイトもしてさらに週末は毎週のようにキッチンカーで販売するという、普段と違う動きをしたがばっかりに、年末に体調を崩して1週間ぐらい寝込んでしまいまして…。
マルシェがあるのに、製造もできず、何もできないから、もう一人の子に、材料を全部渡して、チュロスも一緒に作ったりはしていたので、作り方なども細かく伝えて、全部託したんですよ。
そしたら、「意外とできた」っていってくれたんで、豊野町まで堺から2時間近くかかって遠いということもあり、今年に入ってからは、「材料になるスパイスを送って作ってもらう」っていうやり方に変えました。
チュロスの製造は引き続き担当していて、作ってクール便で送っています。
そうだったんですね!では、キッチンカーでの販売をやめて、今年からはどうやって販売されてるんですか?
キッチンカーには卸売りのような形で販売させてもらって、(他は)間借りしてチャイを売ったり、マルシェに出店したり、SNSで販売したりしています。
旦那さんには反対されなかった?
起業に関して、旦那さんの反対はなかったんですか?
旦那はもともとやりたいと言ってることを反対するタイプではないので、相談することもなく、わりと好き勝手にやってます(笑)
開業届はどのタイミングで出したんですか?
本格的に動き始めたのは、結局いつからになります?
去年の2月くらいに開業届を出して、そこからですかね。
気になる収入は?
もし可能なら、収入についてざっくりお聞きできますか?
まだ全然プラスに利益になってるわけではないです。人件費分くらいかな。
お子さんもおられますし、マルシェも月1回くらいですもんね。
そうですね。まだショップとかを立ち上げてネット販売とかができてないので。今年中にはそういう体制も整えたいなって思ってます。
起業して楽しいことは?
起業して、楽しいところは?
やっぱりマルシェとかに出て、人脈も広がりますし、普段関わらない方とお話できたりするので、新しい刺激をもらえたり、新しい発見があったりすることです。
はちみつ農家さんと知り合えたので、チャイに使わせてもらえたらいいなとかも考えています。
めぐみさんのチャイへのこだわりがスゴイ!
はちみつのチャイ、いいですね!最後に、めぐみさんの<こだわり>を教えてください!
スパイスの配合は完全オリジナル
スパイスの配合にはかなり苦戦して、何度も何度も試作を重ねてチャイを飲んで研究していました。
「手軽に飲めるおいしいチャイをつくりたい」という目標があったので、1人でも楽しく試作していました!やっと、形を作れたときは本当にうれしかったです!
スパイスをケニアから輸入?!
手軽にチャイを楽しみたい方向けには、インド産等のパウダースパイスを使うことで、チャイ初めての方にも飲みやすい風味にしています。
次のステップとして本格的な煮出して濾す、スパイス挽き立てのチャイを作りたくなって、スパイスも質がよいものを直接輸入したいなと思ってたんですけど、輸送コストがかなり高くて、そこの初期費用が結構大きくかなり迷っていました。
友人がケニアと繋がっていて、ケニア産のスパイスのサンプルをもらったところスゴく香りが高くて、このスパイスを使いたい!っと思ったので、思いきってケニア産のスパイスを使うことに決めました。
ケニアから輸入されてるんですか?!!どうやったらケニアから輸入できるんです?
昔のバイト先の知り合いがケニアで当時働いていて、「個人輸入もできるよ」って言ってくれて。
それで、スパイスを色々と取り寄せてもらって、香りとかを確かめたところ、『日本で売ってるインド産などのスパイスよりもケニア産のスパイスの方が香りがいい!』ってことを知りました。
それで、『煮だして飲みたい』というこだわり派の方むけには、ケニア産のホールスパイスにこだわって作っています。
『こだわって飲みたい』方むけには、香りの高いケニア産のホールスパイス(クローブ)を販売されているということなんですね!
そういうことです。
スパイス香るチャイを飲んでみると・・・
gumeさんのティーパックのチャイを頂きましたが、レンジで簡単に美味しいチャイが作れるので、洗い物はマグカップ1つだけでした。
私は日ごろ、コーヒーを飲みますが、子どものお世話をしながらバタバタ飲むので、「あれ?飲んだっけ?」ということがよくあったんですが、gumeさんのチャイはスパイスが効いているので、1時間後とかでも「あ~飲んだんや」って幸せを実感できました(笑)
需要に合わせて、製法を変えるめぐみさんのチャイティー。ぜひ、みなさんも、需要にあった方を飲んでみて下さいね!
めぐみさんのチャイはこちらから購入できます。↓
めぐみさんのinstagram @chai_gume からDMでお問合せください。
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